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★【書評】『21Lessons』は何回も読んで未来について考えたくなる1冊

21lessons 書評

本書の簡単な説明として
Amazonの内容紹介を引用します

『サピエンス全史』で人類の「過去」を、『ホモ・デウス』で人類の「未来」を描き、世界中の読者に衝撃をあたえたユヴァル・ノア・ハラリ。本書『21 Lessons』では、ついに人類の「現在」に焦点をあてる―。テクノロジーや政治をめぐる難題から、この世界における真実、そして人生の意味まで、われわれが直面している21の重要テーマを取り上げ、正解の見えない今の時代に、どのように思考し行動すべきかを問う。いまや全世界からその発言が注目されている、新たなる知の巨人は、ひとりのサピエンスとして何を考え、何を訴えるのか。すべての現代人必読の21章。

引用:AMAZON
こんな方におすすめ

・本好き
・人類の未来に興味がある
・未来について考えたい

読み方のコツ

通勤時間や、スキマ時間に読む

一気に読もうとするとかなり疲れると思います
この本は、21章に分かれていて、1章ずつかなり頭を使って読むからです

少しずつ読める通勤やスキマ時間に読みたい一冊です

また章の順番は流れがあるので
一回目は順番によむのがおすすめです

ろこ
ろこ

私は始業前と昼休みに読みました

付せんをつけながら読む

21レッスンズ

読み直す際に気になるポイントを効率よく思い出せます
また、感想を書く際にもとても便利です

正解の見えない未来にどのように思考し行動すべきかを問う

この本は、このテーマで書かれています

もちろん、この未来は著者の想像の範囲を出ないのですが
歴史学者として過去から学んだり、
世界の最先端の人々からのインタビューから
導き出されたりしたものなので
とてもイメージしやすいし、説得力があります

以下では、特に印象的だった部分について
書きたいと思います

個人対統合ネットワーク(2章 雇用)

今後、AIに人間の仕事が取って代わられるといわれることがありますが、
一人の医師と単一のAI医師の能力を比べる時代が来るというわけではありません

人間の集団と統合ネットワークの能力を比べるのです

これはかなり多くの人が勘違いしている視点ではないでしょうか

ろこ
ろこ

私も勘違いしてました!

p43にとてもタイムリーな例が紹介されています

AI医師の活用

AI医師

新しい病気や新薬が開発されたとき
それを世界中の医師に知らせることは不可能に近いですが

100億のAI医師の情報をアップデートするのはとても簡単で、
それぞれの医師は新しい病気や薬について
自分のフィードバックを伝え合うことができます

新型コロナウイルスの対応で情報が錯綜したり、
症状や判断基準で混乱した現状をみると
AI医師が、個性なくさっぱりと診断して
診療情報をアップデートした方が
とても効率的な気がしませんか・・?

また、AI医師は
これまでより遥かに良い医療を
安くどの場所でも
享受できるようになるという点でも
有効とされています

自動運転は事故を9割減らす

自動運転

すべての自動車運転をコンピューターに切り替えると
交通事故が9割減り、
年100万人の人の命が救われるという
試算が紹介されています

なぜなら、自動運転は交通規則をすべて把握していて
居眠り運転、酔っぱらい運転などの可能性がないからです

近年、高齢者の運転ミス?により子供の命が奪われる
本当に辛い事件が多発しており、
それを防げるならすぐに導入すべきです

AI推進を阻む人間の壁

しかし、
AIが人間の命を守る社会になっていく過程での
一番の壁は人間なのです

例えばAI医師なら
誰が病気の情報を始めに
アップデートするのかというところで
恣意的なものが入る可能性があります

医療も自動車も
職を守るとして人間の命が守られないことがある
つまり、技術が社会に導入されにくい

ろこ
ろこ

そのような状況になりそうなことは
なぜか想像がつきますよね

守るべきなのは人間ですが、
AIの発達で人間が余剰になることが
予想されその時
何ができるか考えていく必要があります

本書では、AIの登場で
余った医師や運転手は
『何か他にすることを見つけるしかない』
と結構雑にかかれています

ろこ
ろこ

その部分、ちょっと笑いました
さすがにそこまでは
他人に気を回せない感じ

人生は物語ではない(20章 意味)

どこかで
「人生はドラマだ」とか
「人生に意味を見出す」
「私は何者だ」

など人生を物語に例えた表現を聞いたことはありませんか?

人生を物語化することは、
人間が人間を動かしたりまとめたりするために使われてきた
古代からの知恵のようです

しかし、本書では、

『自己は私たちの心の複雑なメカニズムが絶えず作り出し、
 アップデートし、書き直す虚構の物語である(P387)』
『自己についての内なる物語と自分を同一視すべきでない(p388)』

と主張しています

しかし、物語は人々をまとめ上げるのに大変有効だったので
今もまだ使われていて、
虚構であるからといって、積み上がったものがありすぎるので
「はい、終わり」とすることもできない現実

私たちにできることは
「まず、苦しみに注意を向け、それが何かを調べる」

それが物語の中に埋もれないで真実を考えるための視点と
主張しています

このことを意識している人は
あまりいないのではないでしょうか?

芸術のAI

どのパターンで心が動くか…ということが
っていうのが脳科学的に把握されていれば
AIが芸術さえも作り出せるという意見が
かなり新しい考え方でした

 

まとめ

まとめ

どの章にも多くの気付きがある考えさせる本
よくある、「こうしたらいいですよ」というような
人生のハウツー本や自己啓発とは毛色が違います

この本は思いもつかなかった
全く新しい未来について語られてはいません

過去、現実に即して語られているのですが、
読み手の知識のさらに深いところから語られるので
納得できるし、新しい感じがするのです

この本は読むのが難しいですが
未来の生活を考えたり、
新しい視点を得られたりする本です

おまけ


訳者あとがきの中で本書をうまく表現したところがあったので紹介します

本書のように多様な問題を取り上げれば、その中には一見ピンと来ないものや、自分には直接関係なさそうに思えるものも当然出てくるだろうが、じつはどれも、私たちとはけっして無関係ではない(中略)現代の人間がグローバルな時代に生きているからだ

P417

ピンとこない部分は日本では身近でなかったり勉強不足で、
知識の穴ということなんだと私は解釈しました

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